「フォークの歯はなぜ四本になったか」の私的まとめ

最近読んだ「フォークの歯はなぜ四本になったか」という本に色々と良い事が書いてあったのでそのまとめです。何らかの設計・デザインとかをやってる人は参考になるかもしれません。

フォークの歯はなぜ四本になったか 実用品の進化論 (平凡社ライブラリー) フォークの歯はなぜ四本になったか 実用品の進化論 (平凡社ライブラリー)
ヘンリー・ペトロスキー,忠平 美幸

平凡社
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おすすめ平均 : 5つ星のうち5.0

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【個人的に赤線引いた所のまとめ】

・デイヴィッド・パイ曰く「形は機能に従う」は「教義(ドクトリン)」であり、「機能」とは「あるモノに相応な働き」であり、付け加えると「機能(ファンクション)とは幻想である。」

・デザインされるモノの形は選択か、さもなければ偶然で決まる。しかし実のところそこに必然性はまったくない。

・「形は機能に従う」という決まり文句に(ノーマンもバサラもフォーティも)賛同していないのはまず間違いないと思われるし、フォーティーに至ってはこれを「警句(アフォリズム)」と呼んでいる。

・新たな人工物が、先行する人工物からしか出現しえないという事実。すなわち新種の人工物は、理論や発明の才や想像による純粋な創造物ではありえない。

・「楽しんで儲けるための発明 Inventing for Fun and Profit (ジェイコブ(ヤコブ)・ラビノウ著)」

・ラビノウの発明の多くについてその起源が論じられているが、概して、現存するモノの欠点を見つける事から始まったようである。

・失敗や役に立たないモノの知識を、新たな研究方法への踏切り板として利用する。

・エジソン曰く、「天賦の才?無意味だね!頑張る事が才能だ!頭の良い人なら誰でも、私と同じ程度の事は成し遂げられる。ただし、その人がしゃかりきになれば、そして、おのずと満足に機能するモノなど何一つ無いと肝に銘じていればだが。諸君はくそいまいましいモノを役立つようにせねばならんのだ!・・・成功する独自の方法なんて私には無かった。」

・形の進化の研究という文脈の中で、何かにつけて引き合いに出される道具が「斧」である。ディヴィッド・パイは「形が機能に従わない」一番の好例として斧をあげている。彼に言わせれば、それは木くずを生み出すには打ってつけだが、木の伐採には恐ろしく効率が悪いのである。にもかかわらず斧は、人工物デザインと進化のどんな学説も注目せざるを得ない道具である。〜植民地時代のころには、現代的なヨーロッパ式の斧がほぼ確立され、伝統の束縛を受けた。こうした技術外の「文化的惰性」は、ある人工物の形を、その効率の悪さや機能上の欠点に関わらず発祥地において定着させる事が出来る。結局のところ、効率をあげるにはどうしても技術的な対処が必要なのではなく、いずれにせよ道具を見守る人の目と手しだいなのである。

・好ましいインダストリアル・デザインの五項目。
1.有用性と安全性
2.維持管理
3.経費
4.セールスポイント
5.外観

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